2023/11/18
今から10年程前の出来事……。
ホールでいつものようにパチスロを嗜んでいると、首からカメラを提げた3人組みの外国人観光客(たぶん西洋系)が入店してきました。店内をぐるっと一周し、遊技解説書を手に取ったり、店内装飾を眺めたり、日本独自の文化を楽しまれている様子。その後、台を指さし「何か打ってみようぜ!!」的な雰囲気になりました。
「この人達はどの台を選ぶんやろか? これは見て帰らなあかん!!」と動向を伺っていると
1人目→『政宗』
2人目→『戦国BASARA2』
3人目→『天下布武2』
やっぱりそうなったかぁー!! 見事に全員、武将、侍、忍者と言った外国人に人気のあるデザインの台に着席。まぁ自分も観光でアメリカのカジノに行ったら、星条旗やイーグル、カウボーイやバニーガールがデザインされたマシンを選ぶでしょうな(笑)。
と、先日そんなエピソードを某パチスロ開発者の知人と酒の席で話しており、パチスロと外国人についての話題でひと盛り上がりしました。そこで、以前より気になっていたことを聞いてみたのです。
「外国人に日本のパチスロがなぜウケないのか?」
これ、皆さん気になったことありませんか? 世界中のカジノにスロットマシンは存在します。凝ったゲーム性のマシン、日本のパチスロを用いている所もあるようですが、遊技する多くは日本の観光客だそうです。
※カジノ以外でも一部の国に日本のパチスロが設置されていますが、今回は取り上げません
以前より、外国人や観光客に向けてジャパニーズスロットマシンのPRが行われてきましたが、想定の結果が得られていないというのが実情だそう。
なぜ?
そこには規則と法の問題、カジノゲームにしては時間効率が悪い、また近年はゲーム性が複雑になっており言葉の問題でそれを理解しにくい……など様々な要因があるそうです。まぁこれは大方予想通りの課題なのですが、根本的に受け入れられ難い決定的な理由が存在しました。
それは……
『チャンスの概念が無い!!』ということ。
1つのアクションに対して、明暗がはっきり分かれていないといけないのです。
某機種を例にして解説します↓
この『チャンス』の部分、が外国人には理解できないらしいのです。母国の言語でゲーム性を説明し、完璧にルールを把握した状態でも『チャンス文化』が存在しないため面白さが理解できないと言うのです。
この傾向は特に西洋系の方々に顕著に見られます。『チャンス文化』はその国々の成り立ちが影響しています。これは私の独自見解ですが、最もわかりやすいのは文法でしょうか? 日本語は結果を最後に示し、一方英語は頭にもってくる傾向があります。そういった単純な日常生活からして、日本の文化とは異なります。
©︎KITA DENSHI
観光客ではなく在日外国人の方も、パチンコ屋でしばしば見かけます。その圧倒的大多数が、ジャグラーかハナハナを遊技されています。この状況も言語の壁やシンプルなゲーム性だから……という理由だけでなく、1アクションで結果が分かる台『ノーチャンス』を好む傾向の表れなのかもしれません。
と、このような事象で外国人(特に西洋文化)には日本で人気のあるパチンコ・パチスロが受け入れられにくいようです。
これを踏まえ、今回の対談(雑談)の最後は外国人に受け入れられそうな機種ってどんなんやろか? というテーマで締めくくることに。ゲーム性がシンプルなボーナスタイプ、チャンス文化不要の完全告知、歴史や侍の要素も盛り込んでいる、この条件を全てクリアしているマシンは……。すると、直近でこれらの要素を完璧に踏襲した台を発見しました!!
©️株式会社ボーダー
この2機種ですね。
・『超速回胴 鬼若弁慶(ボーダー)』
武蔵坊弁慶をモチーフにしたデザイン、日本らしい和のサウンドも魅力のマシン。3コマぶち抜き顔面リールのインパクトも絶大。
・『コクッチーマスターズ(タイヨー)』
在日外国人の方が打つ二強マシンを彷彿とさせる告知ランプが搭載され、さらに漢字で「将軍」と書かれたランプと花火のデザインは西洋系の方々にも好まれそう。告知を全面に押し出すテーマは、キングオブノーチャンスマシンと言える。
いかがでしたでしょうか? 日本のパチスロは、過程「チャンス」を楽しむような作りの台が主流。結果を後回しにすることは時に煩わしいこともありますが、これが日本文化の美しさ、奥ゆかしさでもあります。
近年、渡航制限の解除や日本旅行ブームにより、多くの外国人観光客が来日、そして日本の文化に触れる機会が増えています。アニメやゲームに加え、パチンコ・パチスロも観光スポットの一つとして紹介されています。ジャパニーズスロットマシンをPRする際は細かなゲーム性だけでなく、この『チャンス』の魅力をどのようにして伝えるか? がポイントになってくるでしょう。
ではまた次回!!